サッカースタジアムの芝生管理の工夫とは
サッカースタジアムの芝生の管理について、埼玉スタジアム2002をもとに紹介します。埼玉スタジアム2002はアジア最大級のサッカー専用スタジアムで、収容人数は6万人を超えます。観客席とピッチの距離が近く、選手の迫力あるプレーを楽しめます。スタジアムの魅力の大きな1つは手入れが行き届いている青々とした天然芝です。天然芝はグラウンドキーパーが管理しています。芝生は毎日欠かさず刈り込み・肥料の散布・散水などを行っています。
芝生は日々の観察や記録とともに、色や肥料、密度などあらゆる面に気を配り徹底的な管理が必要です。埼玉スタジアム2002では緑がきれいに出る寒地型の天然芝が使われています。夏場の熱い状態を乗り越えるため、芝に体力を持たせる管理をして一番大事なことを考えながら作業に当たっています。
芝生を管理する上で欠かせない「地温コントロールシステム」を取り入れています。ピッチの下にあり、芝生は微妙な温度管理が大切なので、設定した温度になるようにコンピュータで制御し1年中芝が青々となるように保っています。埼玉スタジアム2002は日本で初めて地温コントロールシステムを取り入れました。芝生を管理する際は葉を触り、反発力を感じられるときの状態を覚えておきその状態にしようと管理しています。
浦和レッズでプレーしたことのある鈴木啓太選手は、「芝生の密度がしっかりあるのでボールの転がりや接触プレーですべった際にけがをしない」と話していました。グラウンドキーパーの方は、選手がいベストなパフォーマンスができるよう平滑な面を常に考えてメンテナンスをして、けがをしないでいいパフォーマンスができる芝を目指して管理しています。